いま、この人
 

㈲佐藤石材店 代表取締役 佐藤周一郎さん

石材業界

 喜多方駅前通りで墓石を中心とした石材店を営んでいます。もうすぐ創業百十年を迎え、私で4代目になります。謎の秘密結社と言われるフリーメイソンは石工が起源だと言われていますが、確かに、石工というのは一子相伝で引継ぎ、超保守的で変化を嫌う節があります。それは会津に限らず、全国の同業者を見ても明らかです。そのため、一口に「石材店」と言っても、中には50年前の工法を頑なに守るお店もあり、逆に常に新しい技術や他業種の技術を学んで取り入れるお店もあります。出来上がってしまえば外側から全く見えない内部が50年間変わらないものと、最新の技術が盛り込まれたものの違いがあるわけです。「どこも一緒だろう」なんて思っていると痛い目を見るので気を付けてください。

働きやすい・働きがいのある職場づくり

 当店は社員の平均年齢が38歳と若い会社です。どこも人手不足で悩む中、有難いことに人に恵まれています。スマートフォンを最大限に活用し、アプリで現場の進捗管理やタスク管理をしています。社員の定着率を高めるため就業規則を改善し、店舗HPに載せて公開していますし、休日も有給もしっかり法令遵守、勤怠はスマホで打刻して社労士さんとオンラインで共有することで1分単位の対応ができています。災害に対する補償以外に、病気で長期間休む時も戻ってくる枠を確保して安心して療養できるように医療保険もかけています。
 さらに、埃だらけの汚いイメージを払拭するために流行りのデザインを取り入れたオリジナルウェアを支給したり、ヘルメットを格好良くデザインしたりもしています。グーグルフォームを使った社員の意識調査も始め、人手不足の時代に生き残る方法を模索しています。
 業績が伸びているかというと決して良い状態ではありませんが、お客様のことを想うと潰れるわけにはいきません。「人がいる」という強みを生かし、ご先祖様を偲ぶ文化を守り続けたいと思います。