いま、この人 鈴木正一さん 第一緑化工業株式会社代表取締役
出会いから畑違いの業界へ
「法面」というと、一般の人には馴染みがないかもしれませんが、道路脇でよく見かける人工的傾斜面のことです。その法面工事を専門に行う第一緑化工業は老舗業者として会津地方全域で仕事を請け負うほか、工法や技術の研鑽も日々欠かさない。業界のトップランナーです。
鈴木社長は、塩川中学校、喜多方高校、神奈川大学、社会人で野球部に所属していました。大学時代はプロ野球のスカウトが見に来るくらい「ちょっとした有名選手だったんですよ(笑)」と、大きな体と声で話をしてくれました。残念ながら怪我でプロ入りは叶わず、会津に戻らなくてはならなくなり、芦ノ牧温泉のホテルに就職しました。
忘年会の営業で第一緑化工業を訪問し、その時に当時の社長である山内氏に「ウチにソフトボールチームがあるから”移籍”しろ」とお誘いを受け、全くの畑違いでしたが29歳の時にお世話になることを決めたそうです。
入社3年目に郡山支店長、その後専務として20年近く営業の中枢を任られてきました。社長に就任したのは2017年12月です。
先代社長の山内さんはお亡くなりになりましたが、「いまの会社と自分があるのは、仲人親の山内さんのおかげで本当に感謝しています」と学生時代から現在に至るまで、また今後の展望まで沢山お話をいただきました。
環境保全と未然防止
2004年特定外来生物被害防止法が、成立し、日本古来の生態系に対する被害を防止するとが求められました。そこで2005年度から喜多方市のアグリ特区に参入し、地元産種子を生産し、自社ブランドとして公共工事に使いながら生態系を守る取り組みを進めています。
また、般の方では気づきにくいのですが、私たちプロの目から見ると、会津地方には危険な法面がたくさんあります。そういった法面を災害や事故が起きてから施工するのではなく、未然に防ぐ観点から「コスト、技法や技術を提供できる」と提案することが必要だと考えています。
企業は人なり
急速に進む少子高齢化で生産年齢が減少し、人手不足が深刻になっています。社としても若者の採用や育成に積極的で、雇用管理の優良な企業としてユースエール認定企業、働く女性応援認定企業、子育て応援認定企業、仕事と生活の調和推進企業、ワークライフバランス男女共同参画大賞受賞企業、福島健康経営優良事業所など、さまざな取り組みが評価され認定・受賞することができています。
定年制を撤廃し、ベテラン社員のスキルやノウハウを若手に継承していただき、会社全体の底上げを図っています。
自分の家族を大切にできる社員がいてこそ、第一緑化工業という組織も発展していけると考えています。社員全員で家族のように一致結束し、創業者の山内善久氏が掲げた社是「環境と安全を真心で創ります」の実現と「社会から必要とされる会社」を目指していきます。