いま、この人

(株)コスモ自動車 代表取締役社長 音川邦広さん

車好きから経営者へ

 「音ちゃん」の愛称で親しまれている音川さんは、小さい頃から乗り物が好きで、高校生になると先代の経営する整備工場に通い、オイル交換やタイヤ交換などの手伝いをしながら整備に関する知識を体得しました。その後、専門学校に通い整備士の資格を取得し、先代の意向でそのままコスモ自動車へ就職しました。社員になると社内の内情が見え出し、直そうと先輩達に話をしても伝わらず、孤軍奮闘の日々を送っていたそうです。
 大口の中古車販売店との仕事が決まり、忙しい日々が続いていた時、今まで溜まっていた不満が爆発、先代と大喧嘩をしてしまいます。音川さんは後悔の念と情けない気持ちでいっぱいになりましたが、何故か仕事を投げ出すことは考えずに「これからは自分が全ての責任を取るつもりでやる」と思えたそうです。この時が経営者としての覚悟が芽生えた瞬間だったと振り返ります。

同友会で更なる躍進

 「会社を経営するなら、とっても勉強になる会がある」と知り合いの社長さんに誘われ同友会へ入会。100人を前にするような自己紹介は始めてなので、名前を言うのが精一杯。案の定、入会一年目で幽霊会員になるも「このままではだめだ!」と、一念発起して積極的に参加し出すと、徐々に知り合いも増えだし、同友会が楽しくなりました。後継者塾や会員交流委員会に所属し、例会委員会では委員長として「夏まつり」を主催します。東日本大震災の年は「郡山から全国に元気を発信し復興していこう!」をテーマに掲げ、地区会長を中心に会員が一丸となって開催できたことは、感慨深い思い出になっているそうです。
 令和元年の台風19号により阿武隈川が氾濫した時は、音川さんの社屋を含めた金屋地区が浸水する被害がありました。翌日は日曜にもかかわらず、朝から自主的に集まった社員さんと片付けをしていると、同じ水害に遭った近くの同友会の仲間が駆けつけてくれました。「同友会の仲間って、本当にありがたいなぁ」と心から感じたそうです。
 現在、音川さんは副支部長として会員一人ひとりを把握しながら、郡山支部の運営に大きく関わっています。音川さんのモットーは「自分が変わらなければ、周りは何一つ変わらない!」です。皆さんも音川さんのように古い自分の殻を破り、一歩前へ踏み出してみましょう!