いま、この人 10月号
地域に根ざし、誠実な家づくりを続ける
㈲マルヨ建匠 代表取締役
渡部 一さん(南会津支部)
地域を支える地元建築企業。南会津町で長く地域の住宅建築を支えてきたマルヨ建匠。
創業以来、地元の気候・風土を知り尽くした家づくりを続け、地域住民からの信頼も厚い工務店です。現在、代表を務めるのが渡部 一(わたなべ はしめ)さん。穏やかな語り口の中に、家づくりへの強い責任感と、地域への深い愛情がにじみ出る方でした。
「南会津の家は、南会津の職人が一番よく分かっているんです。」そう話す渡部さんは、豪雪・寒冷地という厳しい環境を前提に、長く安心して暮らせる家をつくることを何より大切にされています。派手さよりも〝確かな施工〟を積み重ねてきた姿勢が、地域の暮らしを静かに支えてきたのだと感じました。


全県企業家フォーラムへの想い
「今回の全県企業家フォーラムでは、まず何より南会津を知っていただきたいという想いがあります」渡部さんはそう切り出します。南会津は、自然も文化も人も本当に魅力がある地域です。しかし県内でも〝遠い地域〟というイメージがあり、なかなか来てもらう機会が少ないのが実情です。「だからこそ、このフォーラムをきっかけに、南会津の空気を感じてもらえる場にしたいと思っています」と語ります。

そして今年は、300名の参加者を目標に掲げています。「正直、簡単な数字ではありません」と渡部さんは率直に打ち明けます。それでも、実行委員長としてこの目標を達成することが、南会津支部としての挑戦であり、県全体の活性化にもつながると信じているそうです。
実行委員長という立場になると、フォーラムを〝受ける側〟ではなく〝つくる側〟になる。テーマづくり、分科会の構成、講師との調整、運営体制の準備など、見えない仕事は本当に多いです。「でも、その一つひとつが、参加者の学びや気づきにつながると思うと、自然と力が入ります」と笑顔を見せます。南会津の企業として、地域に根ざして経営してきた渡部さんだからこそ、このフォーラムを通して地域の魅力を伝えたい、地域の未来をつくる一歩にしたい。そんな想いで渡部さんは準備を進めています。 「300名の経営者が集まり、学び合い、刺激し合い、そのエネルギーがまた地域に戻っていく。そんなフォーラムを実現したいと思っています」渡部さんはそう語ってくれました。
會舞道郷人 × 渡部一さん
會舞道郷人(あいぶどうごうじん)は、福島県会津地域の歴史・精神・文化を、踊りを通して発信するパフォーマンス集団です。名前の由来は「郷(さと)に集う人々」。地域に根ざし、地域の魂を表現するという想いが込められています。2001年、会津の歴史と白虎隊の精神を〝郷土芸能として現代に伝える〟ことを目指して設立され、渡部一さんが代表として立ち上げた団体です。南会津の歴史・文化・精神を、踊りという形で表現し、地域の魅力を県内外へ発信してきました。渡部さんが語る「南会津を知ってほしい」という想いは、郷人の活動そのものと深くつながっています。「地域の文化を守る」「地域の魂を表現する」「地域の未来へつなぐ」その姿勢は、フォーラム実行委員長としての取り組みとも共通しています。

地域の子どもたちに
〝文化の入り口〟をつくる
郷人の活動の中でも特に大きな意味を持つのが、中学生以下の子どもたちが参加する 「郷人こめら」 の存在です。〝こめら〟は会津の言葉で「子どもたち」。その名の通り、地域の未来を担う子どもたちが、郷人の精神と踊りを受け継ぐ大切なチームです。2002年の結成以来、郷人のメンバーが直接指導し、子どもたちが自分たちの作品をつくり上げる場として育ってきました。踊りを通して、仲間と協力すること、地域の文化に触れること、自分の町を誇りに思うこと、こうした経験を子どもたちが得られるのは、まさに 地域の文化を未来へつなぐ〝地域貢献そのもの〟です。
渡部さんが郷人を立ち上げた背景には、「会津の文化を次の世代へ渡したい」という想いがあり、その想いは今も郷人こめらの活動に息づいています。
レポート/㈱星工務店 星隆行(南会津支部)