喜多方支部4月例会

 少年の日に身体で覚えた血のにじむような体験。そこから血を吐くような思いで絞り出した教訓。物の価値は絶対ではなく相対であり人によって千差万別であるという事。冬の寒空に薄着の少年が売るパンはよく売れた。少年時代の櫻井社長は「記号」と「背景」にこそ人はお金を出すのだという真理を知った。櫻井社長は長じてそれをビジネスに活かしていく。SWOT分析とデザイン思考を駆使し弱みを強みに転換できる領域を突き止めていく櫻井社長の語り口は熱いが、その語る内容は一貫して冷厳な論理に裏打ちされている。「自社の商品を愛しすぎると欠点が見えなくなる」と語る櫻井社長は「サムライアロハ」を始めとした独創的な商品を数多く世の中に送り出していく。しかし売れない苦しみを乗り越えたその向こう側には売れるがゆえの悲劇もあった。酸いも甘いも嚙み分けた櫻井社長が最後に辿りついた境地はこうだ。どんなに素晴らしい商品やサービスがあっても必ず経営危機はやってくる。そのような時に助けになるものは「人」の他にはない。武田信玄の言葉「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」が示すとおり、苦境を救われた社員は会社の危機に際してかつて受けた恩に報いた。櫻井社長の経営体験報告は、企業経営が時に大冒険になり得る事を教えてくれる稀有な体験であった。

(レポート/荒川産業(株) 荒川健吉)

サムライアロハシャツ

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