日本酒は故郷の誇り 造り酒屋のパワフルスーパーウーマン の生き残り戦略~ 報告者 ㈲金水晶酒造店 代表取締役 斎藤美幸さん
8 月2 日(火) 1895年創業の金水晶酒造店の4代目に就任された斎藤さんは、小さい頃から酒蔵の廃業話を聞く度に、生産量が右肩下がりの日本酒業界に危機を感じていたそうです。2011年に東日本大震災が起こり、とても酒蔵の仕事は続けられない、廃業も仕方ないと思ったそうですが、先代の父は「こんな時こそがんばらなければならない」と、継続を決めます。その甲斐あって、震災の年も翌年もその次の年も全国新酒鑑評会で金賞を受賞し続けました。斎藤さんは、福島市で唯一の酒蔵である金水晶酒造が、近隣の町から持込まれた米と水を使ってそれぞれのブランド名の地酒を作り続けていたこと、地元の祭りには地元の酒が必要であることを知り、「地酒は地域の拠り所になっている」と気付かされました。
就任一年目の2018年にはラベルを変えたり、値引き販売したり忙しい日々を送りますが、売上げが上がっても経費が膨らむ経営の難しさを知ります。翌年には同友会に入会して経営指針を学びました。そして、地元の米に地元の水を使った酒は地元の誇りであり、「故郷の誇りを伝える酒屋」を経営理念として目指すようになりました。更に、規模を求めず今あるものの付加価値を高める経営を心がけ、売上げも経営内容も順調に推移し始めているそうです。
県北を代表する酒蔵として、益々のご活躍をお祈りしております。