第46回経営者交流大会in喜多方 開催!!

ここで跳べ! 〜変革は、今からここから自分から〜

■記念講演

 喜多方支部では初の開催となる「第46回経営者交流大会」が11月25日(金)に喜多方プラザで開催されました。「ここで跳べ!」の大会テーマのもと、~変革は、今からここから自分から~をサブテーマとし、県内各地より275名の参加者と学びを深め合いました。開会セレモニーでは、藤田光夫会長、荒川健吉実行委員長の挨拶の後、㈱良品計画営業本部/千葉事業部事業部長・生明弘好氏、同社営業本部販売部/北日本エリア・福島・山形ブロック・林昌宏氏と榊原慈恵氏の3名と同友会会津エリアを代表して3名とパネルディスカッションをいただきました。
 ㈱良品計画では、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」3つの視点を守りながら、実質本位の商品をつくり続け、約7,000商品目の商品を展開するブランドになりました。昨年策定された2030年ビジョンの中では「第二創業」として、単なる物販にとどまらず、店舗が地域のコミュニティセンターとしての役割を果たす「土着化」をスローガンに、地域社会と共生し、課題解決や町づくりに貢献していく事を掲げています。最近の良品計画の動きを象徴するのが「地域への土着化」という経営戦略です。
 「今後の目標は、さらに地域への土着化を進め、地域の魅力を発信していくことです。具体的には、店舗にある商品の2割を地元産にしていきたいですね」と古谷氏。地域の〝くらしの真ん中〟になることを目指し3年目に突入した無印良品直江津の、今後の展開にも目が離せません。

■第1分科会
「発酵大国を生き抜くための経営指針」~業界初を生み出し続ける秘訣~
報告者 山口和真さん㈲山口こうじ店 専務(白河支部理事)

 大学院で学び、就職活動をしましたが、「戻ってこい」との話を受けて、卒業後すぐに山口こうじ店に入りました。
 赤字を脱しようと、商品開発、営業、原料となる大豆の栽培などの様々な挑戦を行いますが、最大の壁は今まで経験の無い事を進めていく中での両親との衝突でした。「帰ってこさせるんじゃなかった」とまで言われ、自暴自棄になったといいます。
 悩み抜いた末、「俺が絶対に立て直してやる!」と決意。自社の課題を地域との関係性も含めて分析し、対策を立てて実行。さらに2020年に同友会に入会。第27期経営指針を創る会を受講し、今年4月に経営指針を発表しました。
 その結果、社員が積極的に衛生管理や製造工程の見直しを進めるなどの動きが出てきました。
 引き続き両親との考え方の違いの中での葛藤は続いていますが、社員の幸せ、そして発酵技術を広めることで人々の健康と幸せを実現するために、今後の決意を力強く報告しました。
 報告を受けてのグループ討論では、山口さんへの共感、自社の社会的な存在意義などの発言が出され、学び合いを深めました。

■第2分科会
ひとのこころが輝く経営を目指して~激動の時代を社員とともに乗り越える~
報告者 宮森正芳さん 会津三菱自動車販売㈱ 代表取締役
                   (会津支部理事)

 第2分科会は社員共育をテーマにした分科会で、会津支部理事を務める宮森正芳さんにご報告いただきました。宮森さんは1973年会津若松市の出身。社長を務める会津三菱自動車販売㈱は会津若松経営品質大賞受賞、原田メソッド認定パートナーとなるなど、地域に根付いた企業です。しかし、これまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。数々の困難や失敗を乗り越えた中で、宮森さんが注力したのは「社員共育」です。これからの激動の時代を乗り越えていくためには組織が一丸となることが不可欠であり、そのためには経営者と社員が共に学び、「対話」をベースにした関わり合いによって、共に成長していくことが重要だと気づきました。そして、経営者と社員がお互いのために努力してこそ、組織は一丸となります。経営者は社員の幸せを導き、社員は経営者の志実現の応援をしてくれます。「社員共育」は上下一体の社風を醸成するということを学べる分科会でした

■第3分科会
Come On Baby 食農工 ~コラボでつなぐ浜・中・会津~
報告者 稲村恵一朗さん 食と農と工芸委員会(会津支部理事)

 会津支部の「食と農と工芸委員会」は、地元会津ならではの食、農業、工業、工芸、それぞれの会社を結び、異業種コラボレーションの実現、新しい商品、メニューサービスを創る事を目的としています。
 委員長の稲村恵一朗さんは、当時会津地区会長であり親友の松﨑健太郎さんが、宮城同友会の農業部会に魅せられ、ぜひ会津にもつくりたいとの熱い想いを受け止めて、その部会のまとめ役を引き受けました。現会津支部長の猪俣善史支部長は勿論、分科会座長の小川伸幸さん、室長の松嶋加代子さんをはじめとする、多くの会津支部の仲間を巻き込んでその輪が広がり、新会名物「会津ピーナッツソースかつ丼」はじめ、新しいものを生み出しています。
 YouTubeなど駆使した情報発信では、専門家の馬場法孝さん、大竹伸知さんらが惜しみなくその技術協力をされています。これは稲村さんの人間力の賜物でもあります。今後はそのコラボ活動を会津のみに留めずに、浜通り、中通りにも広げたいとの事です。それぞれは中小零細企業でも個々の商品やサービスを結集すれば、この不安定な経済を乗り越えて行く力となるでしょう。まさに同友会活動と経営が両輪となる事例で、未来への希望が見えてきた分科会でした。

■第4分科会
「何があっても私は生き抜く!」
〜コロナ禍で隣接異業種への展開が切り開いた未来〜
報告者 栁沼裕子さん ㈲オフィス・ドリーム 代表取締役(郡山支部)

 高校卒業後、波乱の日々を送っていた栁沼さんは、結婚・出産を機に起業。自宅にいながら社会と繋がりたいという思いから、自宅でできる仕事を始めます。まず初めは、パソコンを使ったネット通販ビジネスでした。何のスキルもないところから始め、お客様が何を求めて、何を考えているのかという事に気付くと、瞬く間に売上を上げていきました。並行して様々なステップを考え、その時も人材派遣の会社を設立。その後も全く関わってきたことのない飲食業、宿泊業と異業種に挑戦していきます。同友会の仲間との会話、情報の中からアイデアや縁が生まれ、ビジネス展開に発展していきました。 いつも喜ぶお客様の姿を妄想していると話す栁沼さん。お客様目線も一番大事だが、自分ならどんな事をしてもらえたら一番嬉しいか。自分目線が、お客様に喜んで頂ける結果に繋がっています。
 現在は、貸別荘の運営をしていると、修理が欠かせないことから、リフォーム業を始めました。さらには、インテリアコーディネーターとして家具の販売業や、飲食店スタッフ派遣など、栁沼さんの隣接異業種への挑戦は続いていきます。