いま、この人 5月号

宗像 有美さん
(有)花畑 代表取締役
大きな窓越しに五百川の清流とケヤキの森が広がる郡山市熱海町「日本きもの美術館」の喫茶スペースで、お花畑 代表取締役の宗像さんと、福島同友会 代表理事の藤原さんが、郡山支部 広報委員長の今井さんをモデレーターとしてお話いただきました。
創業者から引き継ぐ思い
今井 宗像さんが手がけられている介護事業について、詳しくお聞かせください。
宗像 20年前に母が熱海町で創業し、2021年12月に代表を交代しました。熱海町を拠点に介護事業を運営しております。
今井 介護イコール「大変」というイメージですが、日々のお仕事の中でどんな所にやりがいを感じられていますか。
宗像 介護の場合は、人生の大先輩と関わる機会が多くあります。例えば戦争体験を聞くことで、私たちの世代が体験していない人生観を知ることができます。また、お一人おひとりが大切にしてきた誇りや、年月を重ねた証あかしに触れることで、多くのことを学ばせてもらっています。ホームヘルパーとして従事していたころ「生きてきて良かった」
と言われたときは、感謝と感激の気持ちで一杯になりました。
今井 「ありがとう」と言われるだけでもうれしいことですが、宗像さんはそれ以上に素晴らしいお仕事をなさっているのですね。
藤原 同友会で言うところの、「人間尊重の経営」そのものの心境ですね。同友会が目指している精神を実践しようとしているように感じられます。
この町に住んでいて良かったと思える地域づくり
今井 今後の展望などありましたらお聞かせください。
宗像 私が生まれ育った熱海町に恩返しをしたいです。高齢の方のみならず、お子さん・障がいのある方・観光の方などが、一同に集える空間を作りたいと考えています。しかも、誰もが主役となれる役割があり、一人ひとりが輝く空間にしたいです。人と人が行き交い温もりを感じる、そんな町づくりを目指しています。
今井 素敵なお話ですね。藤原さんから何かアドバイスがあればお聞かせ願いますか。
藤原 宗像さんとは共通認識が全く一緒ですが、まずは熱海町も含めて福島県に来る観光客や働いてくれる人を増やさなければなりません。そのためには、我々中小企業が率先して取り組み、行政までも動かす必要があるのです。点を線にし、更に面にするような適宜人流を起こす核の部分を、我々同友会のメンバーが担えば良いのです。
同友会との出会い
今井 宗像さんの同友会入会に藤原さんの存在が大きくかかわっているとお聞きしましたが。
宗像 以前、別の集いでパーパス経営について講演されていた藤原さんの覇気に圧倒され、ぜひ経営理念について教わりたいと思い、お会いしに行ったのが入会のきっかけです。藤原 いやいや、宗像さんの行動力に、私の方が圧倒されたんですよ。
私は、まず最初に自社の存在意義(パーパス経営)が分からなければ、経営理念を導き出せないのではないかと危惧しています。社員・スタッフに伝わらない経営理念の形骸化です。
今井 藤原さんは、宗像さんに同友会でどんなことを期待されますか。
藤原 福島同友会が2年後の50周年からもっと先に向かうためには、女性の比率を上げる必要があります。女性の視点や目線からの意見が聞ける、開かれた同友会しなければならない。宗像さんが活躍するそんな同友会を見てみたいのです。
宗像 先日、介護職員自らが介護の魅力を発信する場として、現役職員と日頃かかわりのある利用者様とが一緒にレッドカーペットを歩く、ファッションウォークを熱海町で、ケアセンターいちかわ様と主催しました。スタッフ含め全員がイキイキと輝く姿を、もっと多くの方に見てもらいたいです。藤原 同友会の障がい者委員会や共同求人委員会を巻き込んで開催すれば、もっと多くの方に見てもらえるんじゃないかな。
今井 地域に根ざし、人に寄り添い、未来を描くお二人の姿勢に、多くの感動と刺激をいただきました。本日はありがとうございました。