会津支部新春例会

甲子園への道
講師 光学院高等学校 硬式野球部監督 斎藤智也氏
会津支部は1月8日(水)、会津若松市のワシントンホテルにて新春例会を開催しました。新春特別講演では、聖光学院高等学校硬式野球部監督の斎藤智也氏をお招きし、「甲子園への道」という演題でご講演いただきました。
斎藤監督は、聖光野球部の強さの基盤となる精神面の成長過程を中心にお話しされました。監督は試合中、過去や未来にとらわれず「今」に集中することが重要であると述べ、「前後際断」という考え方を紹介されました。野球の試合時間約2時間のうち、ボールが実際に動いているのはわずか15分ほど。残りの1時間45分をいかに使うかが勝負を分けるとし、「『○○してしまった』『○○したらどうしよう』などと考えずに、その時間を有効に活用することが鍵だ」と語りました。また、練習では選手とのミーティングを重視しており、「心や感性といった目に見えない部分をどう育てるか」が大切だと強調しました。さらに、「自分を頑張らせる要素を見つけた者が勝つ。それは家族や仲間など、自分以外の存在にある。他力がエネルギーを生むのだ」と述べられました。
斎藤監督はまた、昨春に東洋大学に進学した元主将の高中一樹選手がU-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)に出場した際のエピソードを披露されました。大会前半、控え選手に回ることが多かった高中選手ですが、「聖光学院の控え選手の応援は日本一だ。仲間を思い出すことで、自分もベンチでの役割に徹することができた」と話していたそうです。監督は「そのような感覚を持つ選手だからこそ、大学でも好成績を収められているのではないか」と述べられました。
さらに、プロ野球セ・リーグの最優秀新人賞を受賞した巨人の船迫大雅選手や、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本優勝に貢献した阪神の湯浅京己選手ら卒業生の活躍に触れ、それぞれが経験した苦労を振り返りました。「遠回りが彼らを強くした。大舞台での活躍を見ることができるのは、監督冥利(みょうり)に尽きる」と語りました。
例会終了後には恒例の新年会が催され、真部正美支部長が挨拶し、会員約90人がさらなる飛躍を誓いました。
(レポート/(株)トコム 室井英樹)
