喜多方支部 9月例会

地域おこし協力隊
「ラーメン担当」星智也さん
「eスポーツ担当」栗林拓哉さんのお二方
2025年度上半期の掉尾を飾る9月例会は、喜多方市で活躍する地域おこし協力隊員全7名の中から「ラーメン担当」星智也さんと「eスポーツ担当」栗林拓哉さんのお二方を報告者としてお迎えしました。
地域おこし協力隊とは、総務省が2009年から始めた制度で都市部から地方に移住した人材が地域協力活動を行う仕組みです。人口減少や高齢化で課題を抱える地方に人材を呼び込み、地域の活性化や定住・定着につなげることを目的としており、地方自治体の非常勤職員として3年の任期の中で自身のテーマに沿った活動を行いつつ、平行して任地である地域の中で任期満了(卒隊)後の自分の生業づくりに取り組む事が期待されています。
この例会に至るには経緯があります。今年度の4月例会(喜多方市長を囲む懇談会)において喜多方市職員の皆さんと同友会会員が「理想の喜多方」をテーマにグループワークを行なった際、様々な地域課題が浮き彫りになりました。
その翌月の5月例会では、猪苗代湖の厄介者である「菱(ひし)」を地域資源として捉えて新たなビジネスを創出した報告者の長友海夢さん(株式会社いなびし代表取締役)が実は地域おこし協力隊員として猪苗代町に赴任された事がきっかけで猪苗代に定住され、採取的には町議会議員にまでなられたエピソードが参加者の関心を集めました。
こうした経緯から、「喜多方の地域おこし協力隊員の中にも未来の長友さんのような逸材がいるのでは?」という期待が盛り上がり、今回の例会が実現したのでした。
郡山から喜多方に移住された栗林さんはeスポーツを通じた地域の活性化について熱く語ってくれました。なおeスポーツとはエレクトリック・スポーツの略で、コンピューターゲームを競技として行う活動を指します。私はこの分野には全く無知だったのですが、実際に栗林さんが主催したイベントに県外から喜多方まで参加者の方が集まる様子には大変驚かされました。インターネット接続環境さえあれば世界のどこにいても参加できる競技なのに「ラーメンがあるから喜多方には人が呼びやすい」という栗林さんの言葉には喜多方ラーメンの価値を再発見させられました。
一方、その喜多方ラーメンの価値が損なわれつつある現状に危機感を持って活動されているのが栃木県から移住された星さんです。全国に約180あるというご当地ラーメンの中で、日本三大ラーメンの一角である喜多方は静かに店舗数が減少し続ける一方、新潟・山形・佐野・白河といった周辺のご当地ラーメンは急成長しているとのこと。中には地域ぐるみで行政も支援するラーメンもあり、喜多方ラーメン置かれた状況は決して楽観視できないものである事をデータを元に訥々と、しかし静かな情熱を込めて語る星さんの野望は「第二次喜多方ラーメンブームを起こす事」、天晴れな大望に会場も大いに盛り上がり、グループミーティングではお二方を囲んで2班に分かれて活発な意見交換が行われました。
毎回の例会の連なりが新たな気づき・学びを産む様子に、同友会活動が地域に及ぼす事ができる力に改めて感じ入る例会となりました。
(荒川産業(株)/荒川健吉)

