いま、この人 5月号
愛と笑顔で「幸せ」をデザインし、共に育つ未来を拓く
㈱服部 代表取締役
服部 幸介さん(郡山支部)
取材の舞台は、和モダンの新空間
取材の舞台は、和モダンの新空間
2026年4月8日、郡山駅前の喧騒を少し離れたビルの一角。3月22日にオープンしたばかりの「BAR ULURU(バ
ーウルル)」で取材は行われました。店内に一歩足を踏み入れると、ダウンライトに照らされた美しい組子細工が目を引く「和モダン」な空間が広がります。店主である服部幸介さんは、かつてオーストラリアでの修行中にその風貌から「マリオ」の愛称で親しまれ、2009年、30歳を前に起業した1店舗目の店名にもその名を採用しました。服部さんが掲げる理念は「Love&Peace&Smile」です。

スタッフの飛躍を支える、3店舗目の決意
服部さんは現在、郡山駅前で3つのバーを経営しています。今回の新店舗「ULURU」は、単なる店舗拡大ではなく「店長の飛躍のため」に作られました。服部さんの経営スタイルは、スタッフに寄り添うことを第一としています。自社の決算報告もスタッフと共に共有し、数字の勉強会を行うなど、「共に成長する」姿勢を貫いています。スタッフが「自分のお店を持ちたい」と願うなら、そのためのノウハウを惜しみなく伝え、笑顔で次の幸せに向かえるよう協力するのが服部さんの経営の役割だと語ります。

心に開いた「空間」を埋める、食を通じた恩返し
服部さんは福島県飲食業生活衛生同業組合の青年会長を務め、子ども食堂「きになる食堂」の運営にも深く携わっています。この活動の原動力は、自身の幼少期の体験にあります。警察官だった父は多忙で、家では独りきりで食事を摂る日々。近所から届く美味しいおかずを食べても、どこか心に「ボカン」と開いた空間を埋められなかったと言います。 「今の若者たちに、食を通じた温かい時間を作りたい」。そんな思いで始まった子ども食堂では、毎月約50名の親子にプロの味を届けています。お弁当を手渡す際、忙しいお母さんたちが笑顔になる瞬間が何よりの喜びだと服部さんは微笑みます。
温かな支えと耳の痛い指摘が、経営の羅針盤に
2023年に入会した同友会との出会いは、震災後の困難な時期に遡ります。余震で300本ものお酒を失い途方に暮れていた際、まだ数回しか面識のなかった宮﨑登志行さん(現・郡山支部 支部長)が、一人でお店を訪れ、そっとお見舞い金を手渡してくれたのです。 「お金が欲しくて団体活動をするわけではない」と考えていた服部さんでしたが、その損得勘定のない温かな心遣いに大きな衝撃を受け、今度は自分が支部長を支えたいという恩返しの思いで入会を決めました。
入会後、服部さんの経営姿勢を大きく変える出来事がありました。ある例会で、仲間の経営者から自店の改善点を率直に指摘されたのです。それは自身でも薄々気づきながら目を背けていた「分かっていたこと」だったからこそ、図星を突かれた悔しさで、その時は思わずイライラとした感情を抱いたと振り返ります。 しかし、服部さんはその感情を否定せず、そのまま店に持ち帰りました。「分かっているなら、変えよう」。真正面から現場の改善に取り組んだところ、仕事にやりづらさを感じていたスタッフたちの顔色が、見る見るうちに明るく、いい方向へと変わっていったのです。
「自分が動けば、スタッフの顔色が変わる」。この実感が、服部さんの経営理念をより深いものへと進化させました。服部さんは今年度から理事(第3地区副委員長)に就任し、自らの体験を通して同友会の魅力を多くの経営者に伝える使命感に燃えています。
郡山の街を、もっと明るく
「飲食を通じて郡山の街を盛り上げたい」。服部さんの情熱とお酒の深さに触れ、参加した広報委員一同、胸を熱くした取材となりました。愛と平和、そして笑顔。服部さんがデザインする幸せは、これからも多くの人の心に明かりを灯し続けます。
