いまこの人 2月号

「安全の一歩先」を目指す企業づくり
㈱東北エスケー商会 代表取締役
落合 康弘 さん(相双支部)

 ㈱東北エスケー商会は、相馬市に拠点を置き、工業用品のクリーニングを主業とする企業です。1983年の創業以来、県内外の各種イベントや工事現場で使用されるイベント用テント、建設用資材、飼料バッグなどのクリーニングを中心に、販売、レンタル、資材リース事業を展開しています。

 社長の落合さんは、2023年に福島同友会へ入会しましたが、それ以前から山形同友会に所属していました。山形県にある2003年創業の㈱東北仮設サービスの代表取締役も務めています。「㈱東北仮設サービスは、私が大学を卒業する頃に父が独立し、当時の仲間たちと立ち上げた会社でした。しかし、さまざまな事情から仲間が離れてい
き、父に呼ばれて入社しました。2022年に事業承継を行い、社長に就任しました。社長就任前から山形同友会で学び、経営指針・理念を策定し、現在は『現場づくり最適化業』を目指しています」と語ります。
 ㈱東北エスケー商会は2023年にM&Aによって事業承継し、落合さんが社長に就任しました。「銀行からM&Aの話があり、同じ仮設工事・建設資材関連分野に携わっていることから、シナジー効果を期待して決断しました。原価上昇が続く中でリユース需要が高まっていること、また複数の運搬車両を保有しているため、祭事などの際にも規模や対象者ごとの多様なニーズに対応しやすい点が当社の強みです。山形と福島の両社間の運搬も非常に円滑です」と現状を説明していただきました。M&A当初は社員との軋轢もあったそうですが、定期的な面談を重ねることで、現在は良好な関係を築いているとのことです。

 現在、㈱東北エスケー商会には社員・パート合わせて19名が在籍しており、加えて外国人研修生も受け入れています。研修生の受け入れを始めた背景には、離職率の高さや求人の難しさがありました。「業界全体として離職率が高まっていることに加え、地域に若者がいない、また戻ってこないという課題があります。その中で外国人労働者に注目し、当社ではインドネシアから3名の研修生を採用しました。直接現地に赴き、どのような環境で学んできたのか、何を学びたいのかを確認した上で受け入れているため、とても勤勉に取り組んでくれています」と落合さんは話します。このほかにも、大学とのマッチングを進めるなど、多様な雇用形態の可能性を模索しています。

 「当社の仕事は現在BtoBが中心ですが、今後はBtoCやBtoGへの展開も視野に入れています。基本的な事業は変えず、メンテナンスやアフターケアを含め、お客様の幅が広がっても対応できる仕組みを検討し、実践していく必要があります。そのためにも、会社の存在意義を明確にしていきたいと考えています」「まずは㈱東北エスケー商会としての経営指針の策定を目指しています。山形の本社で掲げている理念に『安全の一歩先へ』という言葉があります。これはお客様だけでなく、社員に対しても『㈱東北仮設サービスは安全のその先を見据え、考えて行動する会社である』という想いを伝えるためにつくった理念です。そうした企業としての確固たる柱を築くことが、これからの時代を生き残るために不可欠だと考えています。㈱東北エスケー商会にも、同様の柱をつくっていきたいです」と、今後の展望を語っていただきました。

レポート/㈱広栄土木 小幡広宣(相双支部) 、 ㈱伊藤市郎商店 伊藤順一郎(相双支部)